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2017年6月

2017年6月27日 (火)

素晴らしき、トレイルランニングの世界

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辛口トレイルランニングレースだった。

群馬県太田市で行われた「上州八王子ファントレイル」24kmの部に参戦。トレイルランレースは今回が三度目。(トレイルランニングとは、山の中を走るランニングのことです)

距離は過去2回が15-16kmに対して今回は24km。ハーフマラソンだって21kmなのに、さらに距離があり、そのうえ山を走るわけだから当然登り下りがある。

でもまあ、順位やタイムを気にするわけではないし、ゆっくり行って完走できればOKでしょ…くらいの気持ちだった。まあなんとかなるでしょう…。

ところが、それが大間違いのもとだった。

当日までは体調がすぐれず、山の練習どころか平地でのランニングもあまりままならず、不安はあった。でも、過去二回のトレイルランレースは結構余裕で走れたし何とかなるっしょ、と思っていた。

そして会場での開会式。コースを監修し、僕の憧れの人である、世界的トレイルランナーの鏑木毅さんが、あいさつで放った一言に青ざめる。

「24kmのコースに出る方、ハーフマラソンに毛が生えた程度だと思ったら大間違いですよー。コースはフルマラソンと同程度の走力が必要ですよー」

…え…そうなの…… (゚Д゚;)!

だって前に出た16kmのトレイルランはたいしたことなかったよ…と思ってももう遅い。

確かに去年の優勝タイムを見ると2時間を超えている。完走狙いなら優勝タイムの2倍を考えること、とトレイルランの本には書いてあったから…僕は4時間か…。確かにフルマラソンのタイムと同等だ…ヤバいなぁ(汗)

ものすごく不安になりながらスタート。後方からゆっくりと走り始める。ロードをしばらく走り、トレイルに分け入る。天気も良く、森の木々からの木漏れ日が美しい…。

走っていてなんだかアップダウンが多いなぁと感じていた。しかも上った分だけ下るような感じで、「これヤバいなぁ、腿の筋肉を使っちゃうなぁ」と思いながら走っていた。

7km地点の最初のエイド。…エイドとは、給水だけでなくコーラや梅干し、カステラなど、ランナーへの栄養補給の食べ物をおいてある補給所。山を走るので、ロードレース以上にエネルギーを補給しないと体が動かなくなってしまうのです。

そのエイドで水を補給し、太田市名物の焼きまんじゅうを食べて一息入れる。まだ脚は大丈夫。ゆっくりいこう。

その後再び走り始めるが、やはりアップダウンが小刻みに続く。16kmのエイドまで脚をなるべく温存して、そこから一気にペースを上げる…というのがレースプランだったけど、ちょっと不安になる。下りで大分脚を使ってしまっている…腿がキツイ…。

コースはよく整備されていて、走っていてとても楽しいのだけど、脚の消耗が激しい。

そうこうしているうちにようやく16kmのエイドに到着。エイドが見えた時にはもう歩くようになっていた。マズいなぁ。

エイドで靴を脱いでしばらく休憩する。脚をマッサージし、持ってきた補給ジェルを食べ、トイレを済ます。よし、あと8kmだ。ここからは登りがしばらく続く。頑張ろう。

エイドのスタッフに行ってきまーすと声をかけて山に入る。しばらく階段が続く。すると…あ、脚がつってる!しかも両脚とも!!

脚をあげるたびに腿がつりかける。筋肉がこわばってどうしようもない。ふくらはぎも同じ。しかも一歩踏み出すたびに激痛がはしる…やばいよこれ。

ああ、エイドで休憩しすぎたか。エイドでエアーサロンパスかけてくれてたけど、俺は大丈夫と思ったからかけなかったよ…。うわーこれであと8kmも行けるのかなぁ…。

容赦ないアップダウン。しばらく進んでは立ち止まって休み、また進む。脚の痛みは増すばかりで、このままだと脚が壊れちゃうんじゃないかと思うほど。こんなの初めての体験。

これ、このまま続けていていいのかなぁ…棄権した方がいいのかなぁ…まだまだ先は長そうだ…どうしよ…。

と、初めて棄権することを考える。だってこのままだと脚が壊れてしまう…。

いや、違う!ここからが本当の自分との闘いなのだ!と、なぜかもう一人の自分が言いだし、とにかくゴールまでたどり着こうと頑張る。

でも、脚の痛みが頑張るという言葉を砕いてしまいそうなほどキビシイ。でも、ここを乗り越えるんだ…。

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↑鏑木さんから、トレイルに所々貼ってある激励(?)メッセージ…でも、もう脚が終わってしまったんですう。

そして、永遠に続くと思ったトレイルも終わり、最後の22km地点のエイドにようやく到着。ここからロードの2kmでゴールだ。でも、もう歩いてるのか走っているのかわからないほど。

ようやくゴール地点が見えて、4時間40分の長い旅が終わった。ゴールした瞬間、へたり込む。完敗。

その後着替えて太田焼きそばを食べ(美味しかった~)、高速道路を飛ばして家に帰る。ただひたすらキツイ24kmだった。

次の日から3日間、経験したことのない脚の筋肉痛。そして完走したとはいえないレースに反省しきり。

でも、最後まであきらめなかった自分がちょっと誇らしい。

悔しかったけど楽しかった24km。くそー、来年は4時間を切るぞ!オー!

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そんなにきついのになぜトレイルランニングを続けるのか。それは…

『生きてることを実感できる。汗がブワッっと噴き出し、苦痛に顔を歪め、美しい景色に感動し、人の温かさに嬉しくなり、自分の弱さに怒り、旨い食べ物や飲み物が体に染み渡る。人生の中で生きてることを実感する瞬間ってそんなに無い。生きてることを実感するとそれが感謝になり不思議と優しい気持ちになれる。』

他のブログで見つけた文章(勝手に引用・ゴメンナサイ)。まさにこの通りで、僕はまた今週末も近くの山に走りに行くのでした。

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こういうトレイルを走っていると、苦しくても嬉しくて顔がにやけます。

鳥のさえずり、そよぐ風、木漏れ日の美しさ、葉擦れの音、足元を這う虫たち。

日常をすべて忘れられる空間がここにはあります。

嗚呼、素晴らしきトレイルランニング。

命ある限り走り続けます。

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